一般貨物運送事業を始めるには運輸局長の許可を受けることが必要です。(近畿地方では近畿運輸局長)
事業を始める前に許可申請書を提出する必要があります。
開業までの簡単な流れ
1運輸支局へ申請書を提出
↓
2法令試験受験合格
↓
3運輸局での内容審査
↓
4運輸局での許可決定
このようにして一般貨物自動車運送業の許可を得ることにより、トラックで運送業を始めることができるようになります。
しかし、一般貨物自動車運送事業の許可を取るには必ずクリアしなければいけないハードルがあります。
※一般貨物自動車運送事業許可でクリアしなければいけないハードル |
・運行管理者資格を持っている人がいること |
・トラックを5台以上準備できること(軽自動車を除く) |
・5名以上のドライバーを確保すること |
・ドライバー全員が社会保険に加入すること |
・6か月分の運転資金(保険・税金は1年分、家賃・車両費は1年分)を確保すること |
・整備管理者(整備の実務経験2年以上で整備管理者専任前研修を受けた人、もしくは国家資格整備士資格保有者)を確保できること |
営業所について
物件が都市計画法、農地法、建築基準法などの関連法令に違反している場合、営業所としての使用は許されません。所有権や借入に関わらず、賃貸の場合は賃貸契約を通じて建物の使用が保証されている必要があります。問題が発生した例として、運送会社が以前営業所として使用していたという理由で物件を購入または賃貸したが、後に関連法令に違反していることが判明し、営業所として使用できなかったケースがあります。
営業所の車庫について
原則として営業所に併設していることが必要ですが、併設できない場合、営業所が大阪市内、京都市内、神戸市内、奈良市内、大津市内、和歌山市内等にあるときは営業所から10キロ以内、その他の地域は5キロ以内とすることができます。車庫地として使用する土地が農地法、都市計画法などに違反していないことが必要です。
また、車両を全て収容できる広さがある土地の所有、借入の別は問いませんが、借入の場合は、賃貸借契約により土地の使用が確実なことが必要です。
市街化調整区域でも可能ですが、農地はそのまま車庫にすることはできません。農地を車庫にするには農地転用許可が必要になります。農地かどうかは、謄本や農業委員会などで確認します。また車庫と営業所は併設されているのが理想ですが、そうでない場合は営業所と車庫の直線距離が運送業許可には決められていますので必ず確認する必要があります。
車庫の面積は、運送事業に使用する車両全てが駐車できる面積が必要で車両間は50㎝以上の間隔を確保し、積載量などで必要面積が決められています。
また車庫の要件で注意しなければいけないことは、出入口前面道路が車両制限令または道路幅員証明書が取れ、申請車両が通るのに支障がないことが必要です。
営業所の車両数について
営業所毎に配置する事業用自動車の数は、5両以上です。
なお、トレーラ、トラクタを使用する場合は、セットで1両とします。
休憩・睡眠施設について
原則として営業所又は車庫に併設していることが必要です。
睡眠施設を必要とする場合は1人当たり2.5平方メートル以上の広さが必要です。
また、建物の所有、借入の別は問いませんが、借入の場合は賃貸借契約により建物の使用が確実なことが必要です。
運転者及び運行管理者・整備管理者について
事業を始めるのに十分な数の運転者や運行管理者(運行管理資格者証の取得者)、整備管理者(整備の実務経験2年以上で整備管理者専任前研修を受けた人、自動車整備士3級以上など)の確保されることが必要で、これらは採用予定者も含みます。
法令試験について
申請人本人(申請者が法人である場合には、申請する事業に専従し、業務を執行する常勤役員)が「法令試験」に合格しなければなりません。(合格基準は出題数の8割以上です。:出題数30問)
※その他、事業を始めるにあたり、輸送の安全管理体制の整備、必要な資金の計画、車両の自賠責保険・任意保険の加入等が必要となります。
許可にかかる標準処理日数は、3~5ヶ月 となっていますので、余裕を持った準備が必要です。
なお、貨物自動車運送事業の一般貨物運送事業経営許可には更新はありません。